アニパン 1981年公開「宇宙戦士 バルディオス」
1981年12月19日公開の「劇場版 宇宙戦士バルディオス」のパンフレットです。
葦プロ製作なのに東映の配給。
・・・なもんで、なんと同時上映は『Dr.スランプ アラレちゃん ハロー!不思議島』です。
ハードSF(一応設定は・・・)とギャグアニメの同時上映かぁ。
まあ、ドキュメント・ダグラムとチョロQダグラムを思えば、先駆けかな?
この映画、テレビシリーズの打ち切りに納得しないファンの熱意が実現した作品と言えるでしょう。
兎に角、テレビの最終回は突然でした。
だってサブタイトルに(前編)の文字まであったのに?
アルデバロン軍の秘密兵器・人工太陽が南極と北極の氷を全て溶かした為に発生した巨大津波が世界中の都市や地表に襲いかかる。・・・そして画面は真っ赤に染まり「完」の文字がデカでかと画面に・・・。
テレビシリーズは「猿の惑星」よろしく、タイムスリップをテーマにしたハードSFっぽい作品だったのを覚えています。そして映画もそれを踏襲していますが、テーマはズバリ『スペース・ラブ・ロマン』!?
テレビシリーズではそれなりに活躍していた主役ロボット(?)バルディオスですが、映画では存在が薄い!
映画ではほとんど活躍してなし・・・。(まあラブロマンスを前面に押し出してるから良かったのかな?)
スポンサーの玩具メーカー野村トーイも、ガンプラ並みの売上を期待しなかったのでしょうか・・・。
ちなみにバルディオスって、総体的には正統派スパロボ系のデザインです。(何となくザンボットを彷彿とさせるシルエット)
しかし顔はガンダムだ!
しかも全長100mって、サイコガンダムなんか目じゃないよ。
キャラクター設定も分かりやすい。
地球側(ブルーフィクサー)もアルデバロン側も、伝統的なスパロボ登場キャラ設定です。
放射能に汚染され、地下深くに暮らすS-1星住民。
しかし、放射能を除去しようと頑張る科学者グループと、故郷を見捨てて他の星を侵略・移住しようとするガットラー総統率いる軍部に分かれて対立していた。
科学者のリーダー・レイガン博士は、将校アフロディアの弟ミランに撃たれて死亡。
そこへタイミング良く(?)駆けつけた博士の息子・マリンが投げた鉄の破片がミランの首に刺さり死亡。偶然にも、その仇を討った。
そしてまた、そこへやって来たアフロディアに弟殺しの犯人として認識されたマリン。
かくして父を殺されたマリンと、弟を殺されたアフロディアの確執が始まった。(あっ、マリンとアフロディアは映画冒頭の灯台のシーンで会ってますから、再会ですね?)
邪魔な皇帝と科学者グループを殺して、クーデターに成功したガットラー一派は強引に亜空間要塞で侵略に出てしまいます。
亜空間要塞を、最新鋭戦闘機パルサバーンで追ったマリンは時空の歪みに飲み込まれ漂流。
行き着いた先は2100年の地球でした。そして、ガットラーがターゲットにした星も、地球(!)。
マリンは地球防衛組織ブルーフィクサー隊に入隊。
侵略者と同じS-1星人だと疎まれながらも、美人科学者クインシュタインによって改造されたパルサバーンで、バルディプライズ、キャタレンジャーと合体して、バルディオスとなりアルデバロン軍に戦いを挑むことになった。!
物語中盤はマリンの地球側(ブルーフィクサー)への忠誠を表す話。
敵を欺くにはまず味方から・・・みたいな作戦で要塞を破壊。同時にマリンの心意気に、マリン憎しと思っていたアフロディアに心情の変化が・・・。
途中、地球の為に戦っているマリンが、地球側からお前も異星人!みたいな言われ方してますが、ザンボットの神ファミリーを思い出します。
まあ、そんなこんなで、マリンとブルーフィクサーのメンバーは段々と理解しあうようになるわけなんですが、時既に遅し・・・。
いよいよ映画のストーリーもテレビ版の最終話まで追い付きました。
人工太陽による両極の氷融解。そして地表水没。
これで地形はS-1星と同じ(!)になった。
また、アルデバロンを脱走して来たアフロディアとマリンの再再会もあり。
砂浜で銃を向けあう二人・・・。で要塞の破片が降ってきてアフロディアは生死不明に・・・(まあラストへの伏線ですね、普通死んでますけど)
遂にアルデバロンとの最終決戦。
まあガットラー一派の独断専行だから、いつまでも亜空間に隠れていられるほどのエネルギーも無かったってことでしょう。
通常空間に姿を現した要塞と大型空母2隻。
地球側唯一の戦力ブルーフィクサーもこれで終わりか?と思われたとき、デビットの宇宙艦が援護に来ます。
そして空母2隻に特攻して死亡。
月影長官もブルーフィクサー基地で要塞に特攻。
バルディオスがその隙を縫って要塞の動力炉を切り裂き破壊。
動力炉爆発で要塞は崩壊。
しかし脱出ポットの中で、ガットラーと部下のネグロスが核ボタンを巡って争います。
ネグロスは核を使ってでも地球人を根絶やしにして勝利したい!ガットラーは核で放射能汚染された地球なんて欲しくない・・・。
しかし絶命するネグロスの手が核のボタンを押し、核ミサイルが次々と爆発して地球は汚染され、宇宙に出ていたブルーフィクサー隊の一部と、地球上でシェルターに逃れたであろう一握りの人々を除いて人類は全滅。
冷凍睡眠する兵士を蘇らせようとするガットラーをマリンが追い詰めますが、逆に銃を奪われます。
そこへ死んだ筈のアフロディアが現れます。ガットラーは弟の仇を討てと、銃をアフロディアに渡します。
アフロディアはガットラーを撃ち、最後に自らを撃ち絶命。
ラストはアフロディアの遺体を地球の砂浜へ連れて行き、語りかけるマリンのシーンで終わり。
結局、地球は水没して地形が変わり、放射能汚染されてS-1星の過去の姿になった。
勝者なんて誰もいなかった・・・と言う、空しい結末ってことですね。
テーマは壮大で、ハードな展開。
しかし時代が早かった?
今ならリメイク可能でしょう。是非「新バルディオス」を見てみたいものです。
劇場版の声優陣は異論があると思いますが、出来ればテレビシリーズのままやって欲しかったですね。違和感あるし。
興行的には、話題の声優(戸田恵子とか)で盛り上げたかったんだろうけど・・・。
それと話題作りの為に投入された新キャラ「ラスカ」と「リラン」は、堤大二郎(今は役者だけど当時はアイドル。懐かしー)と一般オーディションで公募したアマチュア声優が担当。
スタッフ紹介で注目すべきは、鳥海さん・・・と言いたいところですが、やっぱりテレビ主題歌『あしたに生きろバルディオス』から、音楽を担当された羽田健太郎先生でしょう。
(TV主題歌好きでした。それとテクノボイジャーやマクロスなんかも秀逸)
戸田恵子の歌った挿入歌「女いのち歌」が強烈なパンチでした・・・。
なのに、劇場用の4曲中3曲しか歌詞が載ってない・・・。何故?
映画公開時は、野村トーイがスポンサードせず、「お口の恋人」ロッテが何故だかスポンサードしていた。
そしてエンディングに一般公募の愛のメッセージが使われました。
発売されたバルディオスガム。
おまけの「バルディオス ストーリーフィルム」を全部集めると、映画が再現できる!?
これ今でも持ってたら凄い。
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